10干は見えない気であって万象の根源

 10干がどうして生まれてきたかは、文献的にはあきらかになっていません。
 算命学的解釈によれば、神の五行が陰陽五行(10干)として宇宙空間を生じたことになります。
 10干は、ものを形造り変化生成させる神の概念です。
 これをここでは、天理と呼ぶことにします。

 神については宗教的な神ではなくて、
 根源の原理、自然と呼ばれるものの根拠のようなものです。

 先日、知人のブログを読んでいたら、子供がお母さんに次のように質問したそうです。
 「私はお父さんとお母さんから生まれてきたけど、
 一番最初の人はどこから生まれてきたの?」

 子供の直観というのは、時に驚くべきことを生み出します。
 たどって行くと、得体のしれない原始生命体のようなものに行きつくのか
 聖書のように神様が突然、人類を表出させたのか、
 それはともかくとしても、始まりがあったわけで、
 その不明な始まりを自然の根源や、抽象的な意味での神にしようというものです。

 算命学のみならず、古代中国占星術では、その根源を、10干という見えない「気」において、
 すべてはこの10干の変化生成のプロセスで起こっているとしています。
 その10干の向こうに神様の原理(天理)があって、
 人間は、その範疇で存在していることになります。

 算命学はこの10干に、五行論や12支や陰陽論を加えて作られた占術です。
 はじめから、ひとつのまとまった学問であったわけではなく
 五行論も、12支も、陰陽論も別個に存在してきたものでした。

 このあたりを僕もいっしょくたにしていました。
 もちろん、それでも算命学の学習では問題ないことで、
 陰陽五行論を前提に論旨を解いていくことは、当然のことだと思います。

 しかし、算命学的解釈を離れて、もう一度、個々の成り立ちを見て行くうちに
 循環序数という変化生成プロセスと出会って、
 これを基準にして、占いができないかという思いが強まってきました。

 算命学も10干を循環序数としてとらえていますし、流れと変化を
 陰陽五行の相生相克やそこから生み出される「星」という論理にして、解説しています。
 それがあまりにもみごとであるために、循環序数としての意味が薄らいでいることも確かで
 それをもう一度見直そうという試みです。

 10干、12支ものがたりを読むにあたって、
 10干とは天理であり、12支とは現実を作る入れ物であることを、しっかりと意識してください。
 これは算命学でも同じ考え方です。
                    
                 

                                                                                            
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