1.甲(こう)

 『甲は東方の孟(はじめ、長)にして、陽気萌し(きざし)動きて、
  木の孚甲(ふこう・種の殻))を戴くの象(かたち)をもってす』(和漢暦原考)

 甲は循環序数としては、一番目、スタートの時です。
 この文字の語源は、種の殻から少し芽がでたような状態でしょう。
 甲の「田」の部分が種子で、「十」の部分は殻が破れる時の十字の亀裂を表しています。
 植物の発芽の状態です。
 

 こんな感じでしょうか。
 植物は古代では生命の根源に等しい存在でしたから、
 その成長過程には強い関心を寄せていたと思われます。

 10干(天理)の最初の段階を
 種子の発芽に配当したことは、うなづけることです。



 甲   陽木性 自然界の事象に置き換えて樹木(建築など食料以外の用材)
     方位は東方、色は青色、青緑色

 これらは、甲の特徴というよりも、甲に配当された現実世界の事物、現象です。
 方位の東は、算命学では、病気になったときなど、困った時の守護方位としています。

 日干「甲」の人は、日番号 1、11、21、31、41、51 です。

 自分がスタートであるという無意識を持っています。
 先頭を切るという自負にもつながり、プライドが高いことも特徴です。
 人に命令されることを嫌い、自分が先頭を切る立場を好みます。

 発芽する種子ということで、勉強家の人が多いです。
 これは、まだ世にでていない状態なので、情報を集めることが急務だからです。
 知識欲旺盛で、人の意見を借りて、それを形を変えて表現しようとする傾向もあります。
 人といっても誰でも良いわけではなく、認められているもの、権威あるものなどです。
 古典やクラシックを好むような傾向も持っています。
 自己判断は時に未成熟な部分をみせます。

 比喩として、人間世界慣れしていないので、純真で純朴、比較的単純思考です。
 裏を読んだり、知略策略は好みません。ストレート、直球勝負タイプです。
 規則や規律を乱す人や、いい加減なことを嫌います。

 芽を出すというはっきりとした役割を背負っているので、そのこと一筋になります。
 目的が定まると、わき目もふらずに直進します。あれこれやれない不器用さがあります。
 実直さと正直さが信頼を集め、人徳を身につけます。

 まっすぐな樹木というイメージは人間性やその姿にも表れ
 おもしろいことに、姿勢の良い、立居振舞の美しい人が多くみられます。

                    
               

                                                                                            
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