干支−高尾理論

 高尾理論では、10干は空間分類で、空間とは現象のことです。
 古代人は眼前する世界(山あり谷あり草木あり星あり・・・)を区分けしていくと
 すべてが木火土金水の5要素に分類できると考えました(五行論)。

 そしてこれら5種類の要素は、互いに助け合い関わりあいながら存在し、
 循環する流れを持っていることを発見しました(相生相剋論)。

 これとはべつに、すべての事象はふたつの異なった性質から成り立っているということにも気が付いて、
 これは陰陽論として発展して行きます。
 人間に男女があって、一日に昼と夜があって、宇宙にも天と地があって、という具合です。

 こうした自然観察から生じた、五行論、相生相剋論、陰陽論が合わさって、陰陽五行論ができあがりました。
 木火土金水の陰陽10分類を干と呼び、それぞれに個別の記号を割り当てました。
 それが甲乙丙丁戊己庚辛壬癸の10干です。

 一方で、電気もない時代、人々の生活の知恵は、自然から、
 特に、太陽、月、星などの運行からさまざまなことを学んでいました。
 星の中でも目立つ5つの惑星を丹念に観測した結果、木星が12年で太陽の周りを1周することを発見しました。

 木星の公転周期をもとに、12進法の時間を知ったわけです。
 そして、もっと観測を続けて行くうちに太陽も五惑星も天空上の同じところを通っていることに気づき、
 これを「黄道」と名付けました。そして黄道を12区分するようになったのです。
 西洋占星術でも黄道12星座というのがあります。

 こうして、一年は木星の周期から12に区分されるようになり、
 狩猟民族や農耕民族に時間を分かりやすく教えるために十二の動物の名前を付けたのです。

 発見された10干と12支がひとつになって、干支ができあがりました。
 干支は算命学のみならず、中国占星術の根本にあるものです。
 現代でも、暦には干支(えと)がつきもので、来年は巳年、というように12支の名称で年を表しています。


                                                                                                                                                                                    
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