本編 「4-天中殺分類」はA4で9ページ。

                        算命学講座-4

★六十花甲子
六十花甲子(ろくじゅっかこうし)について、算命学では次のように述べている。
「十干と十二支が互いの陰陽で結合する時、そこに成立したのは”六十花甲子”であったわけです。六十花甲子の法則が一度空間に飛び出せば無限の広がりを持ち、内にこもればどんな小さい所でも凝縮し存在するのです。ところが古代人は、この六十花甲子をよく見て、一つ一つの区分に自然に融合した干支と不自然に融合した干支と二種類が存在していることに気づいたのです。それは時間というものが十二種類存在しているのに対して、空間の方は十種類しか存在していないのです。」

「干と支が互いの陰陽で結合」というのは、干と支を陽と陽、陰と陰を順番に組み合わせることを言っている。12支は子(陽)丑(陰)寅(陽)卯(陰)・・・10干は甲(陽)乙(陰)丙(陽)丁(陰)・・・これを陽干と陽支、陰干と陰支で組み合わせると、甲子、乙丑、丙寅、丁卯・・・となる。
10干12支の組み合わせは、甲丑、乙子というように陰陽の組み合わせを加えると、120通りできる。なぜ、陰陽の組み合わせがないのかについては諸説あるが、高尾先生はないわけではなく、残りの陰陽の60干支は裏の世界を作っているというような説を書かれている。
一般的には、10と12の最小公倍数が60だから、という説がまかり通っているが、これは単に結果から算出された方便であって、甲丑がない、という説明にはならない。
わかりやすいのは、干も支も序数という性質をもっていて、順番に動くためだろう。


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寅卯天中殺の特徴は次のようになる。
・安定志向が強く、天性に引力を持っている。周りの人の居心地を良くする役割がある。
・家庭や私生活など内的な環境と、仕事や経済などの外的な要素がシーソーする運がある。
・スタートからプロセスを省き、一気に最大値を得ようとするスケールを持っている。
・女性は女傑ぶりを発揮。人の中にとけこみ集団の中心的な存在にもなる。純粋な行動力。
・男性は人情家となり、人徳をもち、それが仕事の恩徳となる。大器晩成型で歩みは遅い。
・他人を活かすことが上手。人を盛り立てたり、マネージャー的な役割で力を発揮する。
・用心深さや猜疑心に欠け、お人好しの傾向。社交性はあり、処世術として外面は良い。
・アバウトな性格。よく言えば、ディテールよりも大局観で物事を把握していくタイプ。

*寅卯天中殺役割論


最大繁茂の前段階である、開花作業がない。いきなり最大繁茂からのスタートは、強引さとアバウトさを感じさせるが、それゆえに、陰転して新たな方向へと模索が始まる。寅卯の役割は種を作るために必要な諸要素を最大繁茂の陰転から学ぶことにある。強引さ、方向転換、それを熟成させる力が寅卯天中殺には備わっている。それに独自の現実味を加えて、作り上げた種子が萌芽する。

*辰巳天中殺


辰巳天中殺は天上の欠落。天上とは心の場所になるが、この場合は人間の心ではなく、天の心。グループ全体が日座天中殺的な要素を持つことになる。
常識や正論で心の形成が出来難く、傾斜する反対の戌亥は、地上の現実そのもの。すべて現実(体験的な事柄)から心を形成する。人生上に展開される現実から受ける喜怒哀楽、他人の幸不幸を体験し吟味することで心を形成していく。たくましい現実行動力をもっている。
行動を見ると複雑に見えても、心の中身は比較的単純。それでいながら自分を言葉で表現することは苦手。行動や表情に心が現れる。理論よりも実践を重んじ、実行力のないものを軽視しがち。理論だけに価値を置くことはない。
辰巳の欠落は組織的コンセンサス(組織の心)を受け付けず、周囲との融和が難しくなり、自分を中心とした小集団を作ったり、組織の外から組織を眺めるアウトサイダーになったりする。味方も多いが敵も多い。
また、家系からの恩恵は受けにくく、家系からもはみ出す本性になる。


                             
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